Greeting ご挨拶
私が学生だった時、先生が「何か夢があったら、10年間は思い続けなさい」と話されたのを今でもつい先日のように思い出されます。その時から50数年。
美術館で好きな物を飾りたい!という私の夢が叶いました。私の好きなものばかりを展示しています。
藤田嗣治と猫30匹(猫十態と猫の本から20匹)は、子供が拾ってきた捨て猫があまりにも藤田の猫に似ていたのがきっかけで、1匹、2匹と収集いたしました。
佐藤正明氏は、山梨県甲府市のご出身。20代からニューヨークを題材にした作品を数多く描いておられ、
山梨県県立美術館の公園に設置されているザ・ビッグ・アップル NO.45も彼の代表作です。
同時に彼の代表作である地下鉄シリーズは、日本の中学校の美術の教科書に掲載されています。
永遠の友・テディベアは、西ドイツで生まれた次男への最初の贈り物が、シュタイフのテディベアでした。
あれから40数年、毎年クリスマスのもみの木の周りに飾った人形たちが皆様方をお待ちいたしております。
シャンソン好きの友人が「スカーフ」という題のシャンソンを歌ってくれました。
♪あなたが残した スカーフよ 二人だけの 絹の思い出 暖かく つつまれた
あの頃を 思い出すの 項にふれる あなたの指を あなたと呼んだ あの頃の事を♪
たった一枚の正方形のカレ(エルメスのスカーフを“カレ”と呼んでいます)の中に、作者の熱い想いが詰まっていました。
手元に集められた約2,000枚弱のエルメスのスカーフから皆様方に見ていただきたい“カレ”を選ぶのに苦労いたしました。
私がスエーデンを旅行した約35年前、スエーデン在住の日本の方が、「ピアニストのフジ子 ヘミングさんをご存知ですか?」と聞かれました。
その時初めてフジ子 ヘミングさんのお名前を知りました。それからは猫がお好きなピアニストのファンになりました。
何とも心が温かくなる彼女の作品をお楽しみください。
以上が私の甲府ミュージアムハウスの始まりです。 お近くにお越しの折には、ぜひお立ち寄りください。山梨県立美術館の真ん前です。
館長 田辺文子